『親だって、初めてなんだ。』
その一言が、私の心をほどいた夜。
「怒りたくないのに、怒ってしまう…」
子育てをしていると、感情を抑えられずにイライラしたり、思わず怒ってしまったりすることはありませんか?
私はある日、韓国ドラマ『応答せよ1988』を観ていて、
親の「感情」とどう向き合えばいいのか、深く考えさせられました。
「親だって、最初は一年生」
このドラマでは、1988年のソウルを舞台に、家族の温かさと不器用さが描かれています。
ある日、娘を感情的に怒ってしまった父親が、こう言います。
お父さんが悪かった。
どう育てればいいのか、よくわからなかったんだ。
お父さんだって、生まれたときからお父さんだったわけじゃない。
お父さんも、お父さんになるのは初めてなんだよ……
だから、少しだけ許してくれないか?
この言葉を聞いた瞬間、私の中で何かがほどけました。
自分の父を思い出し、そして、前日に感情的になって怒ってしまった自分自身と重なりました。
涙が止まりませんでした。
感情をコントロールするのは、簡単じゃない
大人になったら、親になったら、自然と落ち着けると思っていたけれど、
年齢と成熟は必ずしも一致しません。
ちょっとした体調やストレスでも、普段なら笑って流せることに、つい反応してしまう自分がいます。
「怒りたくないのに、怒ってしまう」その理由とは?
発達心理学の研究では、子育て中の親が怒ってしまうのは「ストレス過多時の衝動的反応」とされています。
親自身が感情の余裕をなくすと、子どもを落ち着かせる力も失われてしまう。
だからこそ、まずは「自分の感情を認識すること」が大切だと言われています。
(参考:『子どもの脳を育てる親の言葉かけ』/ダニエル・シーゲル)
親の怒りを和らげるための3つの工夫
工夫 | 方法 | 効果 |
---|---|---|
深呼吸 | 感情が爆発しそうなとき、5秒黙る | 衝動的な発言を防ぐ |
一時離脱 | 子どもから一時的に距離を取る | クールダウンして冷静に戻る |
感情の言語化 | 「ママは悲しかった」と伝える | 共感と理解を育てる |
上記のようなシンプルな工夫でも、実際の場面ではとても効果的です。
たとえば、子どもがごはんで遊んだり、
何度注意してもわざとこぼそうとしたとき、
ついイラッとしてしまうことってありますよね。
そんなときこそ、一度だけ深呼吸してみる。
5秒黙ることで、言い過ぎてしまいそうな言葉をグッと飲み込めることがあります。
また、どうしても怒りが収まらないときは、
「ちょっとトイレ行ってくるね」と席を外して距離を置くのもひとつの手です。
そして、落ち着いたあとで「ママは悲しかったんだよ」と感情を言葉にして伝えることで、
子どもにも「怒られた」ではなく「気持ちを伝え合った」と感じてもらえるかもしれません。
完璧にできなくても大丈夫。
少しずつ、できることから意識していけば、
それがきっと “親としての成長” につながっていくはずです。
翌朝の「ごめんね」に救われて
翌朝、私は子どもにぎゅっと抱きついて、「昨日、怒ってごめんね」と謝りました。
すると、子どもはニコッと笑って「だいじょうぶだよ」と。
…その笑顔に、救われたのは私の方でした。
完璧な親なんていない。でも、変わっていける
「もう絶対に怒らない」なんて無理かもしれない。
でも、昨日より少しだけ意識してみる。
そんな小さな一歩が、未来を変えるのかもしれません。
そして、こう思えるようになりました。
親も、子どもと一緒に育っていく存在なんだ。
子育てに正解なんてないけれど、
「ごめんね」「ありがとう」が言える親でいたいと思います。
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